災害時に備えるファミリー車中泊セットの作り方

家族

災害はいつ起こるかわかりません。そんなとき、家族での「車中泊避難」は安心感のある選択肢の一つです。ただし、快適かつ安全に過ごすためには、事前の備えが欠かせません。

車中泊避難とは

車中泊避難とは、避難所や屋外テントではなく、自家用車を一時的な生活空間とする避難スタイルを指します。
この方法は、プライバシーが守られやすく、特に小さな子どもがいる家庭やペット連れの家族にとって安心できる手段といえるでしょう。
ただし、車中泊は万能ではありません。長時間の滞在には体への負担や衛生面でのリスクもあるため、事前に環境を整えておくことが不可欠です。必要なものを備えておくだけでなく、いざという時に落ち着いて行動できる準備をしておくことが、安全で快適な車中泊避難につながります。
また、災害時には道路状況の悪化や燃料不足などで移動が困難になることも考えられます。そのため、移動を前提とせず、ある程度その場で数日間過ごす想定で備えておくと安心です。
家族で「車中泊避難」を具体的に話し合っておくことも、いざというときの判断力を高めます。

必要な持ち物

車中泊避難において、まず欠かせないのが寝具類です。車のシートは長時間横になるには硬く、体に負担がかかるため、折りたたみマットやエアマット、毛布を用意しておくと快適性が大きく変わります。
次に重要なのが飲料水と食料です。家族の人数に合わせて最低でも2〜3日分は備蓄しておくのが理想です。缶詰やレトルト食品、非常食など、加熱せずに食べられるものを中心に選ぶと便利です。また、電気ポットやポータブルコンロがあれば温かい食事が取れるため、心のゆとりにもつながります。
電源確保のためにポータブル電源やソーラーチャージャーを備える家庭も増えています。スマートフォンの充電、ライトや扇風機など、電源があることで格段に快適になります。車のバッテリーだけに頼ると上がってしまうリスクもあるため、別電源があると安心です。
衛生面への対策も忘れてはなりません。ウェットティッシュや消毒スプレー、簡易トイレ、着替えなどをまとめておくことで、車内の清潔を保つことができます。特に子どもがいる家庭では、使い慣れた日用品やおむつなども事前にセットしておくと安心です。

車中泊避難の注意点

車中泊をする際の最大のリスクは「エコノミークラス症候群」と呼ばれる血栓症です。長時間同じ姿勢で座っていると、血流が滞り脚に血栓ができてしまうことがあります。特に高齢者や運動不足の方は要注意です。定期的に足を動かしたり、横になれるスペースを確保する工夫が必要です。
また、車内の温度管理も非常に重要です。夏場は車内が高温になるため、サンシェードや網戸、ポータブル扇風機などを活用し、十分な換気を行いましょう。冬場は逆に冷え込みが厳しくなるため、毛布や寝袋、使い捨てカイロを準備し、体温が下がらないよう保温対策を取りましょう。
さらに、車の排気ガスによる一酸化炭素中毒にも注意が必要です。寒さ対策でエンジンをかけたまま寝る場合、排気ガスが車内に逆流しないよう、風向きや周囲の状況に十分注意しましょう。雪でマフラーがふさがれるケースもあるため、積雪時にはエンジンを切るのが安全です。
安全面では、停車する場所の選定も大切です。災害時には、避難所の駐車場が開放されることもありますが、地域によってルールが異なる場合があります。事前に地域の避難マップを確認し、どこで車中泊が可能かを把握しておくと、慌てずに行動できます。
最後に、避難生活は精神的なストレスも伴います。家族で声を掛け合い、安心できる環境をつくることが何よりの支えになります。日頃からシミュレーションを行い、何が必要かを家族全員で確認しておくことが、安全な車中泊避難への第一歩です。この記事では、家族向けに必要な持ち物や注意点をふまえた車中泊セットの作り方を紹介します。